BORO(ボロ、本名: 森本 尚幸〈もりもと なおゆき〉、1954年3月11日 - )は、日本のシンガーソングライター、作詞家、作曲家、音楽プロデューサー、兵庫県伊丹市出身。
プロフィール
略歴
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1954年、兵庫県伊丹市出身。
BOROという名前は、中学2年生の頃、彼が乗っていた、古くておんぼろだけど愛用の自転車をテーマにした『ボロの相棒』という自作の詩が、県のコンクールで入賞したことをきっかけに、友人達がつけたニックネーム。自らのミュージシャンとしての使命を“民衆の苦しみの代弁者”と自覚する本人がそのニックネーム「BORO」をそのまま芸名とした。
1972年、高等学校卒業後に上京し、池袋の3畳1間のアパートで暮らしながら、日本声専音楽学院ジャズ科でティーブ・釜萢に師事し、2年間ジャズ・ボーカルを学んだ。
その後、池袋を引き上げ、伊丹に戻ったのち、大阪・北新地のナイトクラブでギターの弾き語りをしていたが、その店を訪れた内田裕也に才能を見出され、1978年夏に大阪でレコーディング。内田のプロデュースにより、ポリドール・レコードに新たなレーベル「カメリア・レコード」が設立され、シングル「都会千夜一夜」で1979年6月1日にデビューした。
デビューと同時に再び上京。BOROのデビューに先立ち、同年5月に萩原健一がリリースしていた「大阪で生まれた女」のヒットを受け8月1日に自身の2作目のシングルとして発表した同曲が大ヒット。同年の第12回 日本有線大賞最優秀新人賞等の賞を受賞した。
以来40年にわたる音楽活動の中で、23枚のアルバム、10枚のベスト・アルバム、23枚(配信)のシングルを発表している(2022年9月現在)。
音楽プロデューサーとして、沢田研二、松田優作、根津甚八、雪村いづみ、梓みちよ、田中裕子、島田紳助、近藤真彦、小泉今日子、森進一、八代亜紀、山田邦子、オール巨人、葛城ユキ等、ジャンルを超えた数多くのアーティストに楽曲を提供している。
1990年からは再び活動拠点を大阪に戻し、意欲的にライブ活動を続ける傍ら、1994年11月1日に自身のレコード会社「BBB Records」を設立。2004年、BBB Records専用スタジオ「BOROの音符工房」を神戸市北区の生野高原に竣工。自身及び、所属アーティストのプロデュース、レコーディング等を行い、CD販売、「ONPU SHOP」内、音楽配信コーナーでの楽曲配信事業を行ってきた。(2023年3月31日 法人としての活動を停止)
2000年以降の主な活動
- 2003年9月3日、AYAKA基金(筋ジストロフィー治療のための基金)10周年記念アルバム 『AYAKA10』発表。
- 2003年9月5日、自叙伝『プロペラのない飛行機』を発表(2014年11月第3刷発行)。
- 2009年8月24日、デビュー30周年記念アルバム『不老不死な物語』を発表。
- 2010年3月10日、ユニバーサルミュージックよりBORO自身が監修・選曲した31曲入り30周年記念ベスト・アルバム『BORO』をリリース。
- 2012年7月3日、自身のFacebookで、夢や希望や元気の出る前向き言葉を発して日本を元気にしようと『前向き言葉推進委員会』グループを立ち上げる。
- 2015年9月16日、トリビュート・アルバム『大阪で生まれた歌』発表。
- 2017年6月27日、自身のFacebookで、いじめについて真剣に語り合い、世界からいじめや差別をなくそうと『いじめ撲滅推進委員会』グループを立ち上げる。
- 2017年8月24日、iPS細胞研究基金支援の歌『しあわせのおくりもの』発表。
- 2017年11月22日、全曲弾き語りスタジオライブ録音によるセルフカバー・アルバム『SHOUT!』発表。
- 2019年8月1日、デビュー40周年記念アルバム『RISING!』発表。
- 2021年12月22日、全曲書き下ろし弾き語りオリジナル・アルバム『OVERCOME』発表。
- 2022年8月1日、サンミュージック出版と業務提携。
- 2022年9月23日、世界平和を願うメッセージソング。配信限定シングル『COMEDIAN/兵士のラブレター』を配信販売。
- 2023年11月1日、「世界平和」に向けた「強いメッセージ」が込められたアルバム『MILESTONE』発表。
闘病と復活
BOROはC型肝炎のキャリアで常に体調不良の状態が続いていた。また、2006年7月には上顎洞(じょうがくどう)に膿がたまり、5年間で計5回、口の中を計144針縫う手術を繰り返している。
更にドラムのシンバルスタンドが倒れたことによる硬膜下血腫で、生死をさまよう大手術を2010年7月7日に受けたが、その退院後2日目に、映画音楽のレコーディングで主題歌を熱唱。その影響で硬膜下血腫が再発し8月10日緊急再手術を受けた。
このように、近年(2014年)までの間、特にこの約10年間は、立て続けに襲い来る病と闘いながら活動を続けてきたが、その後は各手術の術後の経過も良く、また2014年にはじめたC型肝炎の新薬治療が功を奏し、生まれて初めての健康体を手に入れることが出来た。
腎臓がんの克服
2018年頃、左側の腎臓に小さな影が見つかり経過観察。2020年、1・5センチほどの大きさになり「腎臓がん」の診断。
2021年1月にSNSで「腎臓がん」であることを公表。
1月13日に腹腔(ふくくう)鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」で左腎臓の腫瘍部分を摘出。同21日に退院。自覚症状もなかったが、定期検査での早期発見のため初期のガンを取り去ることが出来た。術後の痛みはあるものの経過は良好で、同年3月13日には神戸市内で万全の感染対策をとったうえで「BORO Birthday 弾き語りLIVE」を開催。がんの克服を宣言した。
同年12月22日には、人類のコロナ禍の克服と、自らのがんの克服への思いを込めたアルバム『OVERCOME』(克服の意)をリリース。
AYAKA基金 ~難病治療支援活動~
1991年、筋ジストロフィーの少女・綾佳ちゃんとの出会いを通し、綾佳ちゃんの歌『AYAKA MY LOVE』を作詞・作曲。アルバム『慈愛-JIAI-』に収めると共に、1993年「AYAKA基金」を設立。
チャリティー・コンサート「ミュージシャンズ・カーニバル」などでの募金活動や署名運動を通し、筋ジストロフィーに対する理解や原因究明の更なる推進を求めて歴代の厚生(労働)大臣(1997年:小泉厚生大臣、2000年:津島厚生労働大臣、2001年、2002年、2003年:坂口厚生労働大臣、2004年:尾辻厚生労働大臣、2006年:柳沢厚生労働大臣、2007年、2009年:舛添厚生労働大臣)。基金設立20周年となる2013年には、安倍総理大臣に10回目の募金を届け、広く着実にその活動を展開している。
また、AYAKA基金設立から24年目の2017年には、AYAKA基金の活動にずっと共感を寄せていた「NPO法人さい帯血国際患者支援の会」理事長の有田美智世氏とタッグを組み、京都大学・山中伸弥教授のiPS細胞研究基金周知広報の歌『しあわせのおくりもの』を製作した。
BOROはその告知のなかで、「私に出来ることは 歌を創り歌うことです。難病と闘っている患者さん、治療法確立を目指している研究者の方々、患者支援の活動をしているボランティアのみなさんに思いを馳せ、出来上がった歌が「しあわせのおくりもの」と「愛の配達人」です。みなさんと一緒に難病克服を目指して、その機運を盛り上げていきましょう!どうか、くれぐれもよろしくお願い申し上げます!」と述べている。
ディスコグラフィー
シングル
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アルバム
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ベスト・アルバム
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- BORO BEST&BEST(1980年11月25日 ポリドール・カメリア)
- 「COMING SOON」「RUNNING」からのカメリア・レコード時代のベスト・アルバム
- A LITTLE BEST SONGS(1983年3月21日 ビクター・Invitation)
- 「罪」「愛」からのビクター・Invitation時代のベスト・アルバム。「ネグレスコ・ホテル」収録
- LOVE & TEARS-BORO BEST SELECTION(1988年10月25日 徳間ジャパン・JAPAN RECORD)
- カバー曲とオリジナル曲のコラボレーション
- LOVE & TEARS-BEST4-(1989年1月25日 徳間ジャパン・JAPAN RECORD)
- LOVE & TEARS-BORO BEST SELECTIONの中から4曲をチョイス。
- BORO BEST COLLECTION(1993年11月25日 徳間ジャパン・JAPAN RECORD)
- 1988年~1992年の徳間ジャパン時代のベスト・アルバム
- BORO 20/20 1979-1999 BEST SELECTION(1999年7月1日 ポリスター)
- デビュー20周年記念アルバム BORO20年の集大成 未発表曲も収録
- BORO ゴールデン☆ベスト-Early Days-(2004年6月2日 ユニバーサルミュージック)
- カメリア時代のアルバムとシングルで選曲されたベスト・アルバム
- BORO ゴールデン☆ベスト-反省なき反逆-(2005年1月26日 徳間ジャパン・JAPAN RECORD)
- 徳間ジャパン時代のシングル収録曲を中心としたベスト・アルバム 「大阪で生まれた女・18」収録
- BORO ベスト10(2005年11月9日 ユニバーサルミュージック)
- カメリア時代の曲10曲をセレクトしたベスト・アルバム
- BORO 30TH ANNIVERSARY BEST ALBUM(2010年3月10日 ユニバーサルミュージック)
- CD化されていない楽曲を含む2枚組30曲の豪華版30周年記念ベスト・アルバム
書籍
- 「プロペラのない飛行機~BOROの自叙伝~」
楽曲提供
- 沢田研二「やさしく愛して」「KNOCK TURN」「捨てぜりふ」
- 松田優作「天国は遠くの街」
- 根津甚八「GINKA」「MACHINE」
- 近藤真彦『うそのない言葉 〜THE TRUTH〜(アルバム)』「好き」
- 梓みちよ「モスクワの子猫ちゃん」「地図にない停車場」
- 森進一「セピアの雨」
- 八代亜紀「悲しみの法則」
- 小沢亜貴子「私と太陽」
- オール巨人「あんじょうやりや」
- 田中裕子「インダス・リバー」「ダウンタウン・メロディー」「ジィーダンダ」
- 小泉今日子「グッドバイ・ジェラシー」
- 葛城ユキ「RUNNER」
- ホライズン「風のエンジェル」「ある出来事」
- 山田邦子「マドンナ」
- 雪村いづみ「愛を届けて……」
- 松本かずこ「大阪ジプシー」「ロダンの彫刻」
- 高山厳「大阪レイニーデー」 - のちセルフカバー(歌詞は同一だが最後に2番のサビを繰り返している)。さらに作曲の尾崎和行もセルフカバー(歌詞は基本的に同一)
音楽担当
- 映画「風、スローダウン」(1991年、監督:島田紳助)
- 映画「浅草堂酔夢譚」(2011年、監督:荻野欣士郎)
出演
舞台
- ロッキー・ホラー・ショー(1987年4月11日 - 5月31日、サンシャイン劇場ほか) - ブラッド 役
- 母子泥棒(おやこどろぼう)(1992年4月 道頓堀中座 ほか) - 正夫 役 ミヤコ蝶々:作・演出・主演
脚注
出典
参考文献
- BORO『プロペラのない飛行機』(第3刷〈2014年11月18日発行〉)潮出版社、2003年9月。ISBN 978-4-267-01686-8。
関連項目
- 大森隆志
- 尾崎和行
- カシアスRECORDS
- ご当地ソング
- J-POP
- ニューミュージック
- 夜のヒットスタジオ
外部リンク
- BORO Onpu Club
- BORO - サンミュージックプロダクション



