ウェセックス家(英: House of Wessex)は、5世紀以降、イングランド南部に建国したウェセックス王国を支配、9世紀にはイングランド全土を支配したアングロサクソン人の王家。始祖の名から、セルディック家(古英語: Cerdicingas)ともいわれる。
歴史
「アングロサクソン年代記」によると、495年に同家の始祖チェルディッチ(セルディック)とその息子キュンリッチ(キンリック)がハンプシャー南部に上陸したのが同家の始まりである。以降、ブリトン人を駆逐して北上し、6世紀にテムズ川上流地域にウェセックス王国を建国した。9世紀にエグバートはイングランドを統一し、それ以降エグバートの子孫がイングランド王位を継承した。11世紀にはデンマーク王家がイングランド王位を得たが、ハーデクヌーズの死後、異父兄エドワード懺悔王が即位し、イングランド王位は同家に戻った。しかし、1066年のエドワード懺悔王の死後、義兄ハロルド2世が即位、その後わずかな期間エドガー・アシリングが王位を称するも、同年ノルマンディー公ギヨーム2世がウィリアム1世としてノルマン朝を創設し、同王家は断絶した。
血統的には、アルフレッド大王の娘エルフスリュス(フランドル伯ボードゥアン2世と結婚)の子孫マティルダがウィリアム1世妃に、またエドガー・アシリングの姉マーガレットがスコットランド王マルカム3世の妃となり、その娘マティルダがイングランド王ヘンリー1世妃になっており、女系を通してイングランド・スコットランド両王家を経て、現イギリス王室につながっている。
系図
チェルディッチ(セルディック)からエグバートまで
チェルディッチからエグバートまでの系譜は定かではない。
エグバート以降
脚注
参考文献
- 富沢霊岸 『イギリス中世史―大陸国家から島国国家へ―』 ミネルヴァ書房、1988年
- 桜井俊彰 『イングランド王国前史』 吉川弘文館、2010年
- 森護 『英国王室史話』 大修館書店、1986年
- P.W.Montague-Smith et al., The Royal Line of Succession, Pitkin Guides Ltd, 1986.
- Frank Barlow, The Feudal Kingdom of England 1042-1216, David MacKay Company, 1961.
- John Cannon, The Oxford illustrated history of the British monarchy, Oxford University Press, 1988.
- Hugo Vickers, The Royal Line of Succession, Royal Collection Trust.
関連項目
- ウェセックス




