沙門(しゃもん、梵: Śramaṇa, シュラマナ、巴: Samaṇa, サマナ)は、原義は「(とある高尚・宗教的な目的のために)労働・苦労・奮闘する者」、「質素・禁欲な生活の探求者」 との意味である。
後にこの語は、古代インド社会に於いて生じた、ヴェーダの宗教から分岐したバラモン教ではない宗教者を指すようになった。「つとめる人」の意 。沙門の伝統は、ジャイナ教 、仏教 、アージーヴィカ教、順世派などが含まれる。桑門、勤息、貧道とも言う。後に仏教では比丘と同義になった。
これらの沙門運動は「サンサーラ」「解脱」といった、すべてのインド哲学における主要コンセプトを共有している。
由来
語源はサンスクリットで努力を意味する śram から来ているとされるが、静まるを意味する śam から来ていると言う説もある。前者の意味として功労、後者の意味として息心と意訳される事があり、上記の勤息は両方の意味を合わせた訳語である。
一説には、シャーマンの語源を沙門とするが、これは、未だ俗説の域を出ていない。シャーマンの語源はツングース系語族の「薩満」であるというのが、有力な学説である。
または一説には、シャーマンの由来であるツングース語のシャマンは、さらにシナ語の沙門に由来するというのが多くの学者の認めるところである。
パーリ仏典における記載
脚注
参考文献
- Gethin, Rupert (1998). The Foundations of Buddhism. Oxford: Oxford University Press. ISBN 0-19-289223-1
- Jaini, Padmanabh S. (2001). Collected papers on Buddhist Studies. Motilal Banarsidass. ISBN 978-8120817760. https://archive.org/details/collectedpaperso00jain
- Olivelle, Patrick (1993). The Aśrama System: The History and Hermeneutics of a Religious Institution. Oxford University Press. ISBN 978-0-19-534478-3. https://archive.org/details/asramasystemhist00oliv Google Books
- Zimmer, Heinrich (1953), Campbell, Joseph, ed., Philosophies Of India, London: Routledge & Kegan Paul, ISBN 978-81-208-0739-6, https://archive.org/details/Philosophy.of.India.by.Heinrich.Zimmer, " この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。"
関連項目
- 沙門不敬王者論 - 僧侶は国王を礼拝せずとも良いとする廬山の慧遠の説
- 比丘
- 沙門統 - 中国の官職の1つ。僧侶を統制




